
【個別銘柄考察】タイミー(コード:215A)
タイミーについて
株式会社タイミーは2017年8月に設立され、2024年7月に東証グロース市場に上場した。2025年2月現在の時価総額は1,541億円となり、グロース市場の中でも大型株ではあるが、業績は着実に伸びているため、今後より一層成長してプライム市場への期待も出てくるだろう。
今回は、海外投資家や個人投資家に人気な銘柄であるタイミーに関して
以下2つの観点から分析を行い、総じて長期的にタイミー株を保有すべき銘柄であると筆者は伝えたい。
そして1番のすごさは小川代表がとにかくすごい!!!

株式会社タイミー 会社概要 トップメッセージより抜粋
会社概要
・企業名 株式会社タイミー
・代表者 小川嶺
・設立 2017年8月
・事業内容 アプリケーションの企画・開発・運営
・従業員数 1335名
・本社/支店 東京本社、北海道支社、東北支社、北信越支社
東海支社、関西支社、中四国支社、九州支社
魅力① まるで金融事業者のような高金利給与立替払いサービス
タイミーは、すきまバイトサービスの求人広告を掲載するための、アプリケーション開発・運営を主とている企業であるが、まるで金融事業者のようなビジネスモデルである。
それは、求人を実施する企業側に代わって給与の立替払いを行い、
翌月企業側から立替払いした賃金+30%の高い金利(手数料)を徴収するビジネスモデルである。
このビジネスモデルだからこそ、人材を募集する企業側にメリットがあると考える。
それは、タイミーが求人を掲載する企業者側に代わって即日給与振り込みを実現し、求職者との面倒な契約手続き等を全てタイミーが実施しているからである。
<企業側が給与即日払いをする場合(タイミーを利用しない場合)>

今日も朝9時から17時まで頑張って働いたな!
求人広告に日給8000円で日払い可能と記載してあるし、早く振り込まれないかな!

本日付けで現金8000円を指定の口座へ振り込みいたします。

ただ、会計処理上日払いは、嫌なのが本音。
扶養控除申告書の提出有無を確認が必要だし、
処理上(仕分け)では、
給与(又は雑給)/現金
/預り金 のように大変なんだよね。
だから、日払い処理は辞めたいのが本音。
でも日払い制度にしないとこの時代採用が難しいから、、。
<タイミーを利用して給与即日払いをする場合>

今日はタイミーを利用して、空き時間に働いた!
タイミーから給与が振り込まれるようだけど、今日働いた分がきちんと振り込まれるのかな。

企業様に代わって、タイミーが求職者様とのやりとりを対応いたします。
求職者様との契約に必要な手続きを代行で対応し、本日働いた分はタイミーが変わって求職者様にお支払いいたします。

タイミーが求職者の方との手続きを代行してくれるからとても便利だわ。
それに、タイミーへの支払いは翌月末一括払いだから会計処理上もとても便利です。
このようにタイミーが企業に代わって求職者に賃金の支払いを即日で行っているため、企業側の会計処理は特別な対応は必要ない。
タイミーは求職者に即日給与支払いを行う事ができるよう、短期借入金84億円の銀行ローン等を活用して、求職者への賃金支払いを実施している。且つ流動性資産である現金及び預金比率も十分に割合が高いので、キャッシュフロー的にも安定した企業であると考える。
また、取引先は大手企業のため、安定した資金回収の見込みが実現できるであろう。

株式会社タイミー IRニュースより抜粋

株式会社タイミー IRニュースより抜粋
魅力② タイミーの営業力(職種分解による営業力&リピート率向上)

株式会社タイミー IRニュースより抜粋
上記は、2024年7月26日にタイミーより適時開示された「事業計画及び成長可能性に関する事項」より抜粋した資料である。
タイミーの強さは、顧客の業務を細かくヒアリング・細分化して、潜在的な職種を提案する営業力にあると考える。
みなさんも仕事探しやアルバイト探しの際に以下のような経験はなかっただろうか?

求人広告に「キッチン」の仕事が募集されていたので応募したけど、未経験歓迎と記載されている。料理は得意ではないけど、自宅から近いし応募してみようかな。

(企業側)
「キッチン」の仕事は全てマニュアルがあるので、未経験の方でも安心して仕事ができます。野菜や魚を切って下ごしらえ等をする仕込み作業、オーダー後の調理作業、盛り付け、飲み物・アルコール類の提供、皿洗い等がキッチンの仕事となります。みんな未経験からスタートしているので、ゆっくり覚えていただければ大丈夫ですよ。

覚える事がたくさんだな・・・。家から近いという安易な考えで応募は間違っていたな・・・。他に私でもできる簡単なアルバイトは無いかな・・・。
一般的な求人広告一般的な求人広告は「未経験歓迎」「キッチン作業」とありふれた募集内容で掲載されているため、完全なるミスマッチである。
タイミーは単なる求人広告を掲載するという訳ではなく、顧客の業務を徹底的にヒアリングを行い、業務の細分化を行っている。
つまり、顧客側の正社員が働くべき業務と、「タイミーワーカー」が実現できる業務を分解して、細分化された業務をタイミーの求人広告に掲載するという手法である。
キッチンという仕事を業務分解すると以下となる。(おおまかに・・)
①仕込み作業
②調理作業
③盛り付け作業
④ドリンク類の作業
⑤皿洗い・片付け

①と②の業務は、企業側の正社員が実施して、③④⑤は「タイミーワーカー」に任せましょう!
なので、タイミーに掲載する求人広告は3職種で掲載しましょう!
*盛り付け作業
*ドリンク類の作業
*皿洗い・片付け
もちろんこれは一例だが、「接客業務」「倉庫内作業」「オフィスワーク」など、抽象的に掲載されている求人広告は世の中にありふれている。そして、そのように掲載されている企業こそが採用難となっており、タイミーが強みを発揮する領域である。

株式会社タイミー IRニュースより抜粋
タイミーの収入は、1職種手数料売上30%である。
例)タイミーに掲載されている広告の場合
★キッチン補助の仕事
★10時00分~15時00分
★¥5,000円
上記例の場合、タイミーから求職者に5,000円の賃金が支払われる。
企業側は、求職者への5,000円分の賃金とタイミーへの手数料1,500円の合計6,500円の支払いが
タイミーに行われる。
登録クライアント事業者数25.4万拠点(2024年4月末時点)に対して、潜在的に埋もれている業務分解を実施して求人広告は1業務2~4職種で募集されるであろう。
募集期間はスポット募集もあるが、継続的に募集が見込まれる職種に関しては掲載される求人広告は決まっているため、タイミーの労力はほとんど手間をかけず手数料売上30%が収入となる。
最後に 小川社長への期待
その他のタイミーの魅力は
・全国拠点を設置して、地場に根付いた営業活動を実施
(他社(スポットワーク)は全国展開していないケースが多い)
・登録者累計ワーカーの違い
(他社より約3倍多い)
・ワーカーと企業側の相互評価制度 等、
タイミーのすばらしい魅力は書ききれないが、1番の魅力は小川代表である。
2024年12月10日にJPXより掲載された「グロース市場における今後の対応」で、昨今の経営者の考え方が記載されていた。
昨今の経営者は、「日本のために何かしようという発想ではない」「上場がゴール」「経営が行き詰っても個人としては良い生活ができている」等、上場を目的とした意見が多数見受けられた。
グロース市場における小型株は上場後株価低迷が続いている企業が多く存在し、そのような企業は「上場ゴール」が目的とされた会社が多いと考える。
しかし、タイミー小川社長は全くそのような考えはないだろう。
メディアでの発言を見ると、まさしく日本のため、タイミーのために、誠心誠意経営を行っている魅力的な経営者であると考える。
筆者個人的に魅力だと思っている経営者であるので、これからを期待したい。
余談だが、2024年11月にタイミーに掲載されている一部広告が「闇バイト」であると批判が殺到した。闇バイトが掲載されていることは問題ではあるが、タイミーにとっては長期的には転機だったと考える。
タイミーのようなベンチャー企業は、認知度向上のためにCMやSNS等を使用して多額の広告宣伝費して販管費上昇してしまう原因となるが、今回のニュースがきっかけで無料で多くの日本人にタイミーが認知されたのではないでしょうか。
